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■邦題に関して
まず本映画のタイトルの背景について、本映画の監督で、ジャーナリストのコレット・ブラックマン氏が、2012年に
L'homme qui répare les femmes(英訳"The man who mends women") というタイトルの本を出版したことがきっかけで、
それがムクウェゲ医師のあだ名となり、本映画のタイトルになりました。そのような背景があったため、日本語の字幕をつけた際に、
映画制作会社から邦題を意訳せず、直訳するように依頼がありました。
なぜ「修理」なのかについて、2点理由があります。
1点目、ムクウェゲ医師は女性の身体を当然モノ扱いしておりませんが、残念ながら世界の一部の男性は、女性の性を経済的・政治的な「道具」(つまり、敵の弱体化、人口減少や資源へのアクセスを目的とする)として認識しているのが現状です。だからこそ「性的テロリズム」のような行為がコンゴだけでなく、他国においても長年続いています。ご関心があれば、下記をご一読ください。
Newsweek日本版「ノーベル平和賞以上の価値があるコンゴ人のデニ・ムクウェゲ医師 ―性的テロリズムの影響力とコンゴ東部の実態」
(長文なので、冒頭のみお読みください)
2点目は、もし「女を治療する男」というタイトルだと医療的な解決だけに限定してしまうのですが、ムクウェゲ医師はそれに加えて、ボロボロに壊れている国家の構造全体(行政、司法、ビジネス、女性蔑視なども含む)を修理する包括的な解決策を求めています。ムクウェゲ医師が世界各地でアドボカシー活動を続けているのもそのためです。
改めてご関心を示して頂き、ありがとうございました。ご理解を頂けると幸いです。
RITA-Congo共同代表(2020年掲載当時) 米川正子
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